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zoom RSS 2013シーズン 板納め 鳥海山鉾立ルート

<<   作成日時 : 2013/07/24 20:45   >>

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鳥海山 鉾立〜御浜〜千蛇谷〜新山〜千蛇谷〜御浜〜鉾立


2013/07/07 曇り 時々 小雨 山頂時のみ 晴れ

鉾立 10:10 → 笙ヶ岳分岐 11:15 → 御浜 11:50 → 七五三掛 12:30 → 

山頂小屋 13:40 〜 50 → 新山 14:09 〜 15:15→ 千蛇谷 15:35 → 鉾立 7:45


 裏岩手縦走を計画していたのだが、雨こそ降らないが展望の得られない縦走になりそうな予報だったので、先週見たニッコウキスゲの蕾の大群落が開花しているのではという期待感と、先週で板納めと思っていたのだが、千蛇谷、鳥海湖周辺、賽の河原と長く滑走を楽しめた(その時の様子はこちら)ので、先週と同じルートを辿る予定で鉾立へと向かった。
 徐々に回復する予報だったので遅い時間に鉾立に到着したのだが、鳥海山には雲がかかっており、鉾立の駐車場は空いていた。7月1日の山開きが過ぎ、登山口に登山届記入所が設置されていた。そこに書かれている登山道の情報も入手し、登山届を記入後出発。クロカンブーツで板はザックに固定して歩き始める。白糸の滝はガスの中で音だけ聞きながら進む。細かい霧雨で、歩き始めから上下雨具を着込んでいたのだが、歩き始めは遅かったものの、日差しがなく先週より歩き易く感じた。雪渓に載る少し手前で下山者とスライド。先週とほぼ同じ地点より雪に載れ板を履いた。
 まだ雪の下の賽の河原の上を通り過ぎた頃からガスが時々薄くなり、少しは視界がきくようになった。途中で御浜ルートを見失っていた人にルートを教えたが、今年は残雪が多くガスられた場合、このルートを歩きなれていない人には道を見つけるのは困難である。
 笙ヶ岳分岐に到着。再びザックに板を固定して歩き始めた。ガスで視界はないが、登山道沿いのハクサンイチゲからコバイケイソウにシフトしていたお花畑を楽しみながら進む。期待していたニッコウキスゲの群落は蕾が多く膨らみ、先週よりも咲き始めていたが、残念ながらまだ早かった。海の日の週に満開になると思われた。露に濡れたハクサンイチゲ
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 御浜小屋に到着したが、人の姿はなかった。御浜を過ぎ御田ヶ原の手前にてハクサンイチゲ群落
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 御田ヶ原でミヤマウスユキソウも咲き始め
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 八丁坂の雪渓をガスの中下る。何度も通っている道ではあるが、下りの広い雪原で目印となるようなものが無いため、感覚で下る。雪が切れた近くに標柱が見え、登山道を発見。ここにも虎ロープ等のガイドロープが欲しい所である。先々週滑り降りた蛇石流の雪渓はまだ繋がっていると思っていたが、雪が消えていてがっかり。 
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 蛇石流の上の小さな雪渓も、先週までは七五三掛下から繋がっていたのだが、それも消えて登山道を歩く。七五三掛から千蛇谷へ降りる途中に残っていた雪渓は先週と比べるとかなり消えていた。
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 七五三掛〜千蛇谷間の登山道上に残っていた雪渓。先週までは大勢の人が歩いてはっきりしていたトレースがついていて、歩く所は平だったのだが、この日に歩いた人のトレースも残っていないほど、雪は固く、しかも傾斜はかなりきつい。もし滑落した場合、ピッケルで直ぐに滑落制動しない限り止まれない程の斜度。軽アイゼンは車の中に置いてきてしまっていたので、キックステップを強く蹴りこんでも一回では不安で、二度三度蹴りこんで、一歩づつ慎重に足元を確認しながらトラバース。※この日起こった滑落事故はこの地点ででした。
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 千蛇谷に降りてもガスで先が見えない。先週よりも雪渓上の落石が多い。先週に登った以降、雨が降って地盤が緩み、落石が起こりやすくなっていた。ガスが晴れた千蛇谷の写真を撮ろうと、立ち止まってガスが晴れるのを待っている間にも、外輪から転がってきたのが見えた。
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 ガスが晴れそうにないので、落石地点を外輪側の様子を伺いながら急いで通過。のどを通過する辺りから、ガスが晴れ山頂も見えた
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 ガスが完全に消え外輪も見えた。
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 昨年の外輪崩壊(その時の様子はこちら)地点 上にはまだ崩落しそうな箇所が
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 山頂小屋が7月から営業開始していたので、先週は閉まっていて参拝できなかった本殿の参拝に向かった。この日は天候が良くなかったので本殿の扉は閉まっていたが、先週と違って鍵は開いていたので、扉を開けて参拝出来た。先週のチョウカイフスマに会いに小屋の裏側へ向かうと、たくさん花を咲かせていた。
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 山頂で休憩中だけ晴れていた。ガスがかかり始めたので、急いで新山ドームを滑り降りる準備を始めたのだが、ガスに覆われ視界が悪くなった。ガスの晴れ間を狙って滑り降りる機会を伺っていたのだが、すっきり晴れるまでもう少し待とうと粘ってみたが、さらに状況は悪化し、小雨まで降り出す始末。20分近く粘っていたのだが、諦めて安全に滑り降りるしかなかった。
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 千蛇谷に滑り込んでも状況は変わらず、落石に注意しながら末端まで滑り降り、登山道の近くで止まると、単独の登山者に声を掛けられた。ガスで七五三掛へ向かう登山道が見つからず、10分近く辺りを探し回っていた所、スキーの音がしたので近くに寄って来られたとの事。例年雪渓の末端には虎ロープが張られていたのだが、雪の多い今年はまだ無かった。確か虎ロープが登山道近くに丸めてデポされていたはずと探した所、発見。勝手に張っても咎められないだろうと、ロープを引っ張ったが、5m位しかなかった。広い雪渓に5mばかりのロープでは効果は?だが、何もないよりはあった方が目印になるだろうと考え、登山道の入り口に伸ばして置いてきた。
 先週までは七五三掛の直ぐ下から滑られたので、板は手に持ったまま歩き出したのだが、かなり下まで登山道を歩かなければならなくなっていたので、板をザックに固定してから歩き出した。残雪のトラバース地点をキックステップで通過、梯子の所まで登ると、先ほどの登山者に追いついた。
 その時、ガスの中、下の方から「オーイ!」という呼ぶ声が聞こえた。二人とも聞こえたので空耳ではないようであった。こちらから「オーイ!」と呼応すると、雪渓のトラバースで滑落してしまい動けないでいた方が助けを求めていた。幸い声が聞こえた場所から携帯が繋がり、直ぐ110番。ガスでこちらからは要救助者の姿が見れなかったが、声の聞こえる方へと近づく。登山道を下り、残雪の所まで戻ると、七五三掛から伸びている小さな尾根上のハイマツ帯の所から声が聞こえていた。板の固定されたザックは登山道にデポして、雪が消えたばかりで足場が悪い急斜面を慎重にトラバースして要救助者の所までなんとか辿りつけた。
 足首が腫れあがり歩けない状態であったので、登山道まで連れて行くのは無理だった。擦り傷や裂傷はあったが、血は止まっていて、意識ははっきりとされていた。辺りはガスでヘリ救助は無理で、そこで救助隊が到着するまで一緒に待つ事しか出来なかった。事故の状況を伺うと、軽アイゼンは持って来られてなくて、雪渓のトラバース時に滑落してしまったが、斜面の途中にあるクラックの穴で止まったのが幸いであった。鳥越川ルートで何度も今回滑落した急斜面の前を通っているので良く分かるが、途中で止まっていなかったらかなり危険であった。立って歩けない状態で、四つん這いで今の所まで這い上がって来られたとも聞いた。這い上がって来られたという斜面を見るとかなり急であった。
 千蛇谷で一緒になった方は遠方から来られた方だったようで、下山途中で救助隊の方とスライドし、情報を伝えて下さったとの事。救助を待っていた場所でも携帯が通じ、先遣隊が鉾立をスタートしたと連絡が入ったのが、通報してから一時間位だったろうか、その頃に登り始めたならば日没までには到着されると考えていたが、一抹の不安があった。賽の河原や八丁坂の雪渓でガスがかかっていてガイドなしでは迷って時間がかかるかもしれない…。その後、救助本隊が鉾立をスタートしたと連絡が入って大分勇気づけられたが、そろそろ日没という時間になっても先遣隊は到着されなかった。後から聞いたのだが、ガイドがいなかったため、八丁坂の雪渓でルートが見つけられず御浜小屋に引き返し、本隊到着と合流する事になったとの事。八丁坂の雪渓の所に虎ロープのガイドロープがあったなら、日没前に到着出来ていたはずであった。
 日没の時間が過ぎ、辺りが暗くなり始めた頃から、自分の中では二次遭難の恐れがあり、救助は翌朝になってからになるかもしれないという覚悟もしとかないとと思い始めた。早い時間にデポしたザックを取りに戻っておけば良かったと思ったが遅かった。いつもはツェルトをザックに入れているのだが、こんな時に限って車の中に置いてきてしまっていた。エマージェンシーシートなら入っていたのだが、下山してからその存在を思い出した。家族に事情を説明し今日は帰れないと一報入れた。
 次第に小雨が降り始め、風も強くなってきた。要救助者が折り畳みの傘を持ってこられていたので、二人身を寄せ会い、傘で風雨を凌いだ。傘があるだけでも直接雨が当らず、風も避けられたので大分違った。ヘッドライトは救助隊が到着した時に居場所を知らせるのに必要な為、念のために電池を節約するため点灯しないでいた。濃いガスも相まって辺りはすっかり闇に包まれ、目を開けても閉じても変わらない暗さであった。
 御浜小屋の救助隊から電話連絡が入り、こちらの状況を説明した。装備は傘と雨具のみで、狭い尾根上で風雨を避けられそうな場所はなく、登山道から待機場所まで残雪はない事を告げた。支度が整い次第救助に向かうと聞いた時は心から嬉しかった。御浜小屋から早くても1時間はかかる。その1時間がとても長く感じた。励ましながら待っていたのだが、目を開けているつもりでも開いているか閉じているか分からない状態では、いつの間にか瞼が閉じてしまうようになっていた。夜の11時頃、救助隊のヘッドライトの明かりが七五三掛下の休憩場辺りで見え近くまで来ていると知った時の喜びは未だに忘れられない。
 救助隊が到着されてからも、登山道に戻ることも本当に難しい状況であったが、救助隊のご尽力によって、時間はかかったが、無事翌朝下山。救助された方は幸い命に別状はなく、地元の病院でリハビリに時間がかかるとの事であったが、酒田の病院を退院された折にご挨拶に立ち寄って下さった。残念ながら仕事で不在で、ご本人には会えなかったのだが、お元気そうであったと家族に聞き本当に良かった。
 今回は救助に立ち会うという貴重な体験をしたが、後からこうしとけば良かったと思う事が多々あり、今後機会があれば(あっては欲しくないけど、逆に自分が遭難というパターンもあるが…)、もっと良い対応が出来るようになれればと思う。また、二次遭難の恐れがある中、救助に向かうと決断して下さった救助隊の皆さんには心よりお礼申し上げます。
動画編 http://youtu.be/KYE3K4r7Vkg

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
大変でしたね、滑落してしまった方なんと心ずよかったことか、お疲れさまでした。
白神杜撰会
2013/07/30 11:00
白神杜撰会さん
ありがとうございます。
要救助の方、救助隊も含め全員無事で何よりでした。
今後の自分の登山について考え直される転機となりました。
管理人
2013/07/31 20:17

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