G.W. 針ノ木大雪渓を滑走
針ノ木雪渓 扇沢~針ノ木雪渓~マヤクボのコル~針ノ木岳山頂 往復
2010/05/04 曇り のち 晴れ
扇沢 6:12 → 大沢小屋 7:08 → マヤクボ沢出合 8:43 → マヤクボのコル 9:55~10:15 →
針ノ木岳 11:06~16 → 扇沢 12:48
一日目 白馬大雪渓滑走はこちら
二日目 白馬鑓ヶ岳滑走はこちら
日本三大雪渓のうち、剱沢雪渓は2006年のG.W.に滑っており(その時の様子はこちら)、初日に白馬大雪渓も滑ったので、最後の針ノ木雪渓も計画していた。白馬を降りた後、途中の姫川源流自然探勝園を散策し、そこで湧水を汲んでから扇沢に向かった。扇沢に到着した頃には夕刻を過ぎており、扇沢駅に一番近い無料駐車場は空いていた。歩いて扇沢駅に向かうと、辺りは薄暗くなっているのに、団体のお客さん達が立山方面から扇沢への最終便で降りてきて、足早に待っていたバスに乗り込んでいった。扇沢で車中泊をして、翌朝針ノ木岳に向かった。
始発までまだ時間がありひっそりとしている扇沢駅前より、左手にある針ノ木岳登山口へと向かった。登山口には係の人が常駐していて、登山計画書を提出した。雪の状態が分からなかったので、ブーツは板にセットしたままザックの両側に固定し、トレランシューズで歩いてきていた。係の人にこの先の雪の状態を伺うと、2010年は冬季は少雪だったものの、4月になっても気温が上がらず、G.W.前にもまとまった降雪があったので、登山口周辺の雪は例年より多いとの事であった。登山道はこの先でアルペンルートの旧道か作業道だったか舗装された道路を何箇所か横切るので、今年はまだそこまで行っていないけれど、そこはいつも雪が消えているので、トレランシューズのまま歩いた方がいいとの事であった。出発して直ぐに扇沢駅の裏側が見られた。
雪は汚れているが、雪はたっぷりあるので肩の荷を下ろしてシール登行したかったのだが、雪が途切れているという情報からそのまま壺足で歩き続けた。始めの舗装された道路を横切る箇所に着いたが、道路にも雪があり繋がっていた。何箇所か横切るというので、この先で途切れているかもしれないのでそのまま歩き続けたが、次の所もぎりぎり繋がっていてスキーのまま歩けた。肩に食い込むので、シール登行に切り替えた。雪も大分綺麗になっていた。赤沢岳が正面に見えてきた。
登山道は雪渓の左岸にあるのだが、トレースを見ると、堰堤を過ぎた所で雪渓を横断し、右岸の山際を巻きながら緩やかに登っていた。トレースを辿って進んでいくと、徐々に左にカーブし、針ノ木雪渓が正面に望めるようになった。残念ながら稜線はガスに覆われていた。開けるとトレースがたくさんあって、どのルートが最適なのか分からなくなり、とりあえず大沢小屋に向かっていると思われるトレースを辿って行った。
大沢小屋から出発したばかりのパーティーが大沢雪渓を登っていくのが見えた。正面の針ノ木雪渓にも数名先行者がいるのが小さな点であったが分かった。大沢小屋に到着すると、管理人さんが作業をされていた。2010年の夏にも大沢小屋を訪れているが(その時の様子はこちら)、雪が消え林の中にあった小屋は今回とでは印象が大きく異なって感じた。
大沢小屋から雪渓に乗るには少し段差を下らなけれなばらなかったので、まっすぐ林の中を進んだ。雪渓の途中に堰堤があり雪渓の中央部では2m以上の段差があるので、上から滑り降りてくり時に堰堤の端の段差が無い所を必ず通るよう注意しなければならなかった。堰堤の所で雪渓に緩やかに下りられる所があったので、雪渓に乗った。白馬大雪渓と比べて雪渓の幅が狭いので、両側を聳え立つ崖に挟まれて、圧迫感を感じた。心配していたデブリ跡だが、予想していたより綺麗で滑りには適して良かったと思えるのだが、まだ落ち切っていない雪崩が多いとも考えられるので、雪渓の真ん中を出来るだけ通り上を目指した。振り返ると爺ヶ岳が正面に見えていた。
正面には針ノ木岳が見えていた。
何人か壺足で下山してくる人達とスライドし、マヤクボ沢出合で小休止をする。この日の先行者は皆、マヤクボ沢に進まれていた。同じく計画通りマヤクボ沢へと進んだ。
マヤクボ沢の急斜面を大きくジグを切りながら登って行くと、雪渓の下部が再び見えてきた。正面には爺ヶ岳と岩小屋沢岳
急斜面をシール登行で登りきると、一旦緩やかになった。針ノ木岳の左側の急斜面を登っている二人組が見えた。
蓮華岳も目の高さに見えるようになっていた。小休止をしながら針ノ木岳に向かうルートを考えていた。左側の急斜面を登っている人達はかなり手こずっているように見えた。気温も上がってきており、急斜面では細かい雪片が転がり始めていた。
右側のルートの方が稜線までは近いようであったが、先行者がいなかったので二人組の先行者のいる左側のルートに向かった。出発して暫くしてから、先程近くで小休止していた人が右側のルートを登り始めていた。右側のルートからでも行けるのかなと思い、登り易そうな右側のルートに進路を変更した。マヤクボのコルに先行者が到着して間もなく同じくコルに到着した。マヤクボのコルから見る黒部湖。残念ながら立山連峰は霞んでいた。
先行者の方に針ノ木岳までは登らないかと尋ねた所、マヤクボのコル側から針ノ木岳まで例年なら夏道が出ているのだが、今年は頂上直下のトラバースする所に雪が多く残っているので、この緩んだ状態ではアイゼンとピッケルの装備でも危険との事であった。マヤクボのコルから見上げる針ノ木岳
針ノ木雪渓には何度も滑りに来られているので、その方はここから下山されるとの事であった。針ノ木岳直下の急斜面をトラバースして左側のルートに向かうには、雪崩る危険性が高いと思われたので、一旦先程小休止した所まで滑り降りてから、先程の二人の先行者のルートで登り直すのが一番いいルートと思われたので、一旦シールを剥がして滑り降りてから、再びシールを貼り直し改めて左側のルートに進み始めた。
先に登っていた二人が滑り降りてきたのが見えた。滑った後に崩れた雪が無数に転がり落ちるのをハラハラしながら見ていた。その内の一つの直径30cm位に成長した雪の車輪が、スキーヤーがターンをして丁度その雪の車輪の落下コースに戻ってきていたので、思わず「落っ」と叫んだのだが、離れていたし、滑っている人の耳に届く訳もなく、運悪くスキーヤーに当たってしまった。背後から足元へいきなり衝撃がありビックリされたようだが、幸い転倒もされず怪我もなかったのは良かった。
気温も高くなり、徐々に雲もとれてきていたので、ますます雪が崩れやすくなっていた。上部で崩れないか絶えず気にかけながらシール登行で稜線に到着した。そこから針ノ木岳の山頂までは垂直に近い壁をよじ登らなければならなかった。板をデポし、ストックをピッケルに持ち替え山頂に向かった。雪が緩んでいる為にピッケルも効かず、キックステップを強く蹴り込んでなんとか登りきった。針ノ木岳山頂からの黒部湖。残念ながらマヤクボのコルにいた時よりも霞んでしまっていた。
山頂から下る時の方が登るより怖かった。ピッケルも効かないので、登りのステップに忠実に足を置いて下ってきたのだが、ステップが崩れてしまい、数m滑落。下が平らな稜線だったので、すぐ止まったが冷汗ものであった。まだ正午前で時間は早いのだが、これ以上展望も良くならないようであったし、雪がますます緩んでくるので、滑走の準備を整えドロップ地点に立った。急斜面の上、崩れ落ちる雪の音におののきながら、素早くかつ慎重に安全な所まで滑り降りた。マヤクボ沢よりスバリ岳~爺ヶ岳~針ノ木雪渓~蓮華岳
登ってきた後に崩れた小さな跡が所々で見られた。大きなデブリを避けながら滑り降りていくと、登ってくる人とスライドした。針ノ木雪渓に良く登られるという方の話では、例年ならデブリだらけで滑るのに苦労する状態なのが普通なそうだが、この年は凄く綺麗な雪面だと聞いた。この冬、雪が少なかったためデブリの発生も少なく、さらにG.W.直前にまとまった降雪があり、小さなデブリを覆い隠してしまったとも考えられた。のどを過ぎ雪渓が広くなると滑りに適した斜面になったのも束の間、斜度も緩くなり、雪も腐れてしまっていて、直滑降で下るしかなかった。高度を下げると、霞みが徐々にとれていった。岩小屋沢岳~爺ヶ岳もよく見えてきた。
大沢出合より振り返って。左に大沢雪渓、正面に針ノ木雪渓 針ノ木岳付近のガスはまだとれていなかった。
下りは大沢小屋をスルーし、大沢出合から右岸を巻いてつけられているトレースを辿って下り、お昼も過ぎお腹も空いていたので、途中の堰堤でランチを食べ、扇沢まで板を脱ぐ事も無く滑り降りられた。
最終日 快晴の針ノ木雪渓 はこちら
















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